《70代というのは新しいゴールデンエイジ―人生の黄金時代である。(中略)かつては60歳が還暦として人生の節目とされたが、今は70歳が人生の節目であり、次のステージへの出発点になるのではないか》。坂東眞理子さんお(72才)の著書『70歳のたしなみ』(小学館)に綴られた言葉に「元気をもらった」「目からウロコが落ちた」など、たくさんの感想が寄せられている。『70歳のたしなみ』が、発売1か月で4刷4万5000部を超えるヒットとなった理由と、幸せに生きるヒントを探った。
5月12日に発表された旭屋書店船橋店の「週間ベストセラー総合ランキング」では、樹木希林さんの名言を集めたミリオンセラー『一切なりゆき』や大ヒットシリーズの最新作『おしりたんてい かいとうとねらわれたはなよめ』(トロル著)などをおさえて、『70歳のたしなみ』が第1位。三本木昇店長はこう語る。
「うちのお店のお客様は、50才と70才を中心に2つの山ができています。その意味でも、70才の年齢を冠したこの『70歳のたしなみ』はピッタリで、60代、70代の女性を中心に本当に瞬く間に売れていきます。
単品で買って行かれるお客様のほか、内館牧子さんの『終わった人』や『すぐ死ぬんだから』と一緒に購入されるかたも多い印象がありますね。一方、一緒に並べている佐藤愛子さんの新刊『人生は美しいことだけ憶えていればいい』と一緒に買うかたはほとんどいらっしゃらない。両方とも売れているのに、面白いものですね(笑い)。
私も読みましたが、どのページからも読めますし、どのページを読んでも内容がしっくりきます。60代、70代のかたに限らず、もっと下の年代のかたにも役立つ内容なので、世代を超えて読まれる本になってもらいたいです」
坂東さんも本書のなかで《私と同じ団塊世代の人たちと、これから70歳の黄金時代を迎える全ての人にお読みいただけたら》と書いているが、実際、20~40代の読者から「坂東さんの言葉にとても励まされた」「70才になる前に出会えて良かった」「『70歳』を自分の年代『40歳』に置き換えて読んでも、スーッと身にしみ入る内容だった」などの感想が届いている。例えば「70歳。意識して上機嫌に振る舞う」に書かれたこんな言葉──。
《親しい人、愛する人に上機嫌で接することが高齢者の義務であることを私たちはとかく忘れがちである。よく知らない人、親しくない人、たまに会う人には言葉や動作を慎み、不機嫌や怒りを抑制する。しかし夫婦や家族、職場の同僚や部下(上司ではない)に対しては不機嫌をあからさまに表してしまう》
年代を問わず、当てはまる人もいるのではないだろうか。
※女性セブン2019年5月30日号