官僚的なイメージが伴う東大に対し、全国から“奇人”が集うユニークさで知られる京都大学。学生以上に個性的なのが教授陣だ。研究に懸ける異常な情熱は、時に世間から“非常識”と見られてしまうことも──。知れば知るほどオモロイその生態とは。
◆日本語を忘れてしまった
これまで日本のノーベル賞受賞者(自然科学系)は23人(日本出身者含む)。そのうち京都大学卒業生は7人でトップ(東京大学は5人)。教鞭を執る山中伸弥教授(神戸大卒)らを加えると京大ゆかりの受賞者は10人に上る。
東京大学を凌ぐ“受賞率”の高さは、「面白い」をとことん追究できる自由な学風が大きいとされる。事実、教授陣には他の大学には見られないような個性的な面々が揃っているのだ。
京大ではそんな教員が自らの世界を語る「京大変人講座」が2017年4月に開講、現在11回を数える。今年4月には、講座の一部をまとめた書籍『京大変人講座』が発売され、累計2万5000部のベストセラーとなっている。
「京大では変人は褒め言葉です」と話すのは、講座でナビゲーター役を務めたタレント・越前屋俵太氏だ。
「『京大変人講座』に出ている先生方は、もちろん自分たちが“変人”だとは思っていません。世の中の常識を当たり前のことだと受け入れず、自分の信念を貫いて研究する姿勢が時にそう見えてしまうだけ。彼らの面白さ、格好良さを伝えたいと考えたんです」