2018年12月、歌手の和田アキ子が、眼瞼下垂症の手術をしたことを報告。1月にはフリーアナウンサーの宮根誠司も手術を受けたと明かし、話題になった。目といえば非常にセンシティブかつ重要な人間のパーツであるため、手術を受けるか受けないかは悩みどころだろう。果たしてこの手術は受けるべきか、受けないべきなのか。
こちらは2人に倣って「受けた方がいい」が最終結論。道玄坂加藤眼科院長の加藤卓次さんが言う。
「眼瞼下垂症とは、目を開けていてもまぶたが下がり、黒目の一部が隠れてしまう病気です。ハードコンタクトレンズを長く使用している人は特になりやすいといわれている。放置すると視野が狭まって赤信号を見逃したり、慢性的な肩こりや頭痛の原因になったりします。保険適用で治療できるので、生活上支障があれば受けておくべき手術でしょう」
目にまつわる医療技術は日進月歩で進み、手術以外にも新しい治療法が出てきている。加藤さんが画期的だと評価するのは、近視矯正の特殊なコンタクトレンズである「オルソケラトロジー」だ。
「寝ている間だけハードコンタクトレンズを装着することで、角膜の形を矯正します。目のピントが合いやすくなり、日中は裸眼で生活できます。一時的な効果しかないため、1日おきに装着する必要がありますが、角膜が柔らかい子供の場合、近視の進行を抑えられるという研究データもあります」
近年、患者数が急増しているドライアイにも画期的な治療法が出てきた。
「“涙点プラグ”と呼ばれる方法です。目頭にある涙点に詰め物をすることで、涙が鼻に抜ける通り道を塞いで、貯留量をキープし、目に潤いを保てます」(加藤さん)
◆目の手術は医師の腕次第
各手術のメリットとデメリットを頭に入れても、執刀する医師の腕が悪ければ元も子もない。二本松眼科病院の眼科医・平松類さんは、病院選びについてこうアドバイスする。
「一般的な目の手術なら、やり方がパターン化されていることが多いため、基本的に手術内容はどの病院も変わらないと考えていいでしょう。つまり手術内容は同じであるため、症例数、手術経験が多い医師ほど手術慣れしていて、合併症などのリスクが低いといえます」
ではどのようにして“慣れている”のかを見極めればいいのだろうか。病院によっては症例や手術数がホームページで公表されているが、加藤さんは「病院あたりの医師の数も確認してほしい」と言う。
「症例や手術数の累計は、病院の規模が大きくドクターが多いほど累計も増えますから、1人で500件なのか、10人で500件なのかによって異なります。ただ、数を公表している病院は、自信があって得意だと考えていいでしょう」