皆さま、綾小路きみまろ、久々の登場でございます。私の『きみまろ「夫婦川柳」傑作選』の第3巻が発売されます(5月27日頃)が、それを記念し、今回はご夫婦の川柳バトルをお送りいたします。
では早速! まずは奥様から~!
【奥様の シミはブローチ、しわデザイン】
私の分析によると、女性のシミ(4・3)は43才から、シワ(4・8)は48才から多くなります。おまけに“首まわりの肉のたるみはネックレス”“女房のホクロはまるで黒真珠”でもあるのです。よかったですね、奥様。自前でこれだけ持っていれば、もう新しいアクセサリーは買わなくてすむのですから。
そんな奥様を尻目に、新婚時代を思い出すご主人。
【触ってた、昔女房、今手すり】
「あの頃は、外出するといつも手を握り合ってたよなぁ。それが今はサッサと前を歩くのは女房。“な~にやってんの! 早く歩きなさいよ!”。階段の上り下りも、手すりにつかまり、ヨイコラショ! だし」
そんな奥様も、時にはご主人の手を握ってくれることがあります。
【夫の手 握る奥様 脈、測る】
「アナタったら、調子が悪いの? 病院に行くとお金がかかるし、私が脈を測ってあげるから腕を早く出して!」
奥様に圧倒され、思わず心拍数が上がってしまうご主人。
そんなご主人のご飯はというと、惨憺たるものです。
【レンチンで 我が家はすでに 無人化し】
新婚時代は帰宅すると、玄関まで出迎えに来てくれて「お帰りなさい」のチュー。「ご飯にする? お風呂? それとも…」
流し目で寝室を見ていた奥様。それが今は出迎えてくれるのは犬のポチだけ。食卓には何もなく「夕飯は冷蔵庫の中の残り物をレンジでチンして食べて」の奥様のメモが。
その奥様はどこに行ったのかと思ったら、これまたメモで「先に寝るわね」。一部のコンビニでは、無人化がスタートしたと聞きますが、我が家はとっくに無人化していたのであります。
【オレだって「書き換え」たいよ 婚姻届】
ひとり、レンチンの夕食を食べながら、新聞を読むご主人。
「そういえば、財務省が認めた公文書の『書き換え』は新聞紙上でもかなり取り上げられたなぁ。役所の文書をそんなに簡単に書き換えられるのなら、オレだって書き換えたいよ。婚姻届の妻の欄に『広瀬すず』って書けたらなぁ」
望みゼロの空想をするご主人でした。
夫婦川柳バトル、私の判定は引き分け。どうせすぐお迎えがくるのですから気楽に構え、夫婦生活をエンジョイしてください。
※女性セブン2019年5月30日号