国民に祝福された1993年のご成婚、そして、8年後の2001年に愛子さまをご出産なさった新皇后雅子さま(55才)。しかし、これまでの皇室での生活は順風満帆ではなかった。約15年間にわたる療養生活を経験なさったからだ。
雅子さまの状況は、2016年8月、天皇陛下(当時)が退位の意向を表明されると潮目が変わる。
翌年、愛子さまが学習院女子高等科に進学されて落ち着きを取り戻すと、雅子さまに生き生きとした表情が戻った。精神科医の香山リカさんはこう言う。
「それまで皇室とご自分のミスマッチで悩まれたものの、皇后になることを受け入れられてからは近い目標がおできになったのでしょう。雅子さまにとって、はっきりしたスケジュールのなかで目標に向かって努力されるのは得意なことのはずです。もちろん、愛子さまが高校生になられて自立されたことも、雅子さまの快復を後押ししたのではないでしょうか」
本誌・女性セブン皇室記者が雅子さまの快復を実感したのは、2018年5月に明治神宮会館で開催された全国赤十字大会の席上だった。
「この時、美智子さまが雅子さまに手を添えられて、あたかも『私の後継者です』と表明されたかのように紹介されました。このことが自信につながったのでしょうか、以降の雅子さまは地方公務での全参加が増え、お声がけやご懇談の時には積極的にお話しされるようになりました。
長い式典では時間が経つにつれて表情に陰が差すこともありますが、最近では陛下のネクタイと雅子さまのお洋服のカラーコーディネートが一緒のこともあり、細かいおしゃれを楽しまれる余裕が出てこられたようです」
今回の御代がわりに伴う一連の儀式のなかでも、雅子さまは優雅な微笑みを絶やさなかった。皇室ジャーナリストの神田秀一さんは、雅子さまのお姿に「強い決意」を読み取る。
「雅子さまが皇后陛下として初めての宮中祭祀に出席され、宮中三殿すべてを参拝するお姿を見て、“天皇を支える”という意志を強く感じました。この先は新皇后としてさまざまな公的行為に臨まれることになりますが、元外交官としてのキャリアを生かして、世界平和のための国際親善に尽力されるのではないでしょうか。
長いトンネルを抜けられた雅子さまだけに、美智子さまとはまた違う公務のあり方を見せてくださるはずです」
始まったばかりの令和時代、新皇后となった雅子さまはかつての自信を取り戻し、外務省でバリキャリでいらっしゃった時に名付けられた「タフネス・マーちゃん」の顔をのぞかせている。