芸能

樹木希林さん、浅田美代子に主演させたかった遺作の親心

樹木希林さんが遺作映画で浅田美代子に託した女優魂と親心

「38才」と偽り、色香と巧みな話術で男たちを惑わし、金を巻き上げ、タイで逮捕される62才の女。優しい表情と言葉と、その裏で見せる狂気的な笑みのギャップに思わずゾッとする──。

「浅田美代子さん(63才)の演技がすごい。60代にして初挑戦というセックスシーンといい、これまでの『釣りバカ日誌』の“かわいい奥さん”やテレビで見せる“明るい天然キャラ”といったイメージとはまったく違う。鬼気迫る体当たりの演技に目を奪われました」(スポーツ紙記者)

 浅田にとって45年ぶりの主演映画となる『エリカ38』(6月7日公開)。被害総額27億円、被害者は男性ばかりで120人超ともいわれる“つなぎ融資事件”の山辺節子被告(2017年4月逮捕)をモデルにした作品だ。

 昨年9月に亡くなった樹木希林さん(享年75)も、浅田演じる主人公・エリカの母親役で出演している。樹木さん自身が企画から出演まで携わった「遺作」でもある。

「浅田さんに主演させたいと、希林さんが奔走して実現させた映画です。きっかけは、2人でこの事件のニュースを見ている時に、希林さんが“美代ちゃん、こういう役をやったらいいのに”と言ったことだったそうです」(映画関係者)

 決断してからの樹木さんの行動は早かった。

「希林さんは体調が悪い中、資金集めのためにいろいろなところに出向いたそうです。最終的に製作資金はなんとか集まりましたが、もし資金が集まらなかったら、自分が所有する不動産を売りに出してそれを製作費に充てようと考え、具体的に見積もりを取ろうとまでしていました」(前出・映画関係者)

 全身がんに侵されていた樹木さんは、人生の最後に、私財を投じてまで浅田主演の映画を作ろうとしていた。それほどまでに2人の関係は深いものだった。

「浅田さんが希林さんと出会ったのは16才。高校2年生の時、オーディションで2万5000人の中から選ばれ、大人気テレビドラマ『時間ですよ』(TBS系)でデビューし、そこで共演して以来のつきあいです。翌年にはドラマ『寺内貫太郎一家』(TBS系)で再会。撮影は、週5日もあり、家族よりも一緒にいる時間が長かった。特にデビューしたてで右も左もわからない浅田さんは、希林さんにいつもくっついて歩いていましたね」(ドラマ関係者)

 浅田が21才で吉田拓郎(73才)と結婚した時は、樹木さんが夫の内田裕也さん(享年79)を伴って「本当に美代ちゃんを幸せにできるのか!」と、吉田の元に怒鳴りこんだという逸話もあるほどだ。

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