芸能

山下達郎・竹内まりや他、“シティー・ポップ”が海外で人気

1982年発売、山下達郎の名アルバム『FOR YOU』

 東京・新宿、懐かしい中古レコードを扱うその店には外国人客があふれていた。昨今、J-POPのアナログレコードを目当てに来日する外国人が増えている。今、日本発の“シティー・ポップ”が、世界中で大ブレークしているのだ。

「当店は日本人アーティストのレコードしか扱っていないのですが、今や全体の3割ほどが外国からのお客さまという日もあります。以前は欧米人が多かったのですが、今では韓国やタイなどアジアのかたも増えています」

 そう語るのは、『ディスクユニオン新宿 日本のロック・インディーズ館』店長の松岡秀樹さんだ。同店で問い合わせが特に集中しているのは、山下達郎(66才)と竹内まりや(64才)だという。海外の音楽ファンの間では、2人は“シティー・ポップの代名詞的存在”となっているというのだ。

 そもそもシティー・ポップとは何か。音楽ライターの金澤寿和さんが解説する。

「1970~1980年代に人気を集めたジャンルで、歌詞やメロディーが洋楽志向の強い都会的なポップ・ミュージックです。象徴的な作品は、大滝詠一のアルバム『A LONG VACATION』(1981年)や山下達郎のアルバム『FOR YOU』(1982年)。音楽ファンの間では音楽的水準の高い本物志向のスタイルと定評があります」

 それがなぜ、今になって、しかも海外でウケているのか。J-POPのレコードを探しに来日した、フランス出身のジュリーさん(29才)は、アニメをきっかけに山下らの楽曲を知ったという。

「フランスでは以前から日本のポップカルチャーを紹介する『ジャパンエキスポ』が開催されていて、アニメや漫画を通して日本文化を好きになる人が多い。私も好きなアニメの主題歌を歌うのがタツロウ・ヤマシタと知り、それからはユーチューブで曲を聴くようになりました」

 昨年公開された細田守監督のアニメ映画『未来のミライ』は、“アニメ界のアカデミー賞”と称されるアニー賞で長編インディペンデント作品賞を受賞。今年2月に米ロサンゼルスで開かれた授賞式では、作品の主題歌である山下の楽曲『ミライのテーマ』が流れ、海外でも存在感を見せつけた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン