日に日に暑さが増すこの時期、ビジネスマンの間でよく「ワイシャツの下に肌着(インナーシャツ)を着るのはアリかナシか」という議論が起こるが、最近は「吸水速乾性」に優れたメンズ肌着に加え、“透けにくい”肌着も数多く登場し、汗かきビジネスマンの必需品になりつつある。ファッションジャーナリストの南充浩氏がメンズ肌着の最新事情をレポートする。
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今年もクールビズの時期がやってきました。2005年に提唱されてからすでに14年が経過し、すっかり定着したといえます。
メンズファッションをこよなく愛する人々からは「クールビズはメンズスーツスタイルを破壊している」と不評ですが、真夏の最高気温が35度を越える日本では、冷涼な欧州と同じように真夏でも上着を着ることは苦行に等しい行為です。マスのビジネスマンが暑さに耐えかねてクールビズに流れるのは無理からぬことだといえます。
上着を着ずにシャツ一枚での通勤もOKというクールビズの期間中は、シャツの下にどんな肌着を着れば良いのかが毎年論争になります。
欧州に準じる派は「シャツはそもそも下着から発祥しているから、その下に肌着を着ることはおかしい」と言いますが、春・秋・冬なら汗をかくことも少ないため、素肌にそのままワイシャツを着ることは可能ですが、高温多湿な真夏の気候で、素肌にシャツを着れば、すぐに汗でグッショリになります。
私も生来の汗っかきなので、真夏は常に汗をかいています。当然、素肌にワイシャツを着ると一瞬のうちに汗で肌にくっついてしまいますので、見苦しさを抑えるためにも必ず肌着を着ます。欧州のマナーに是が非でも合わせねばならないことのほうがナンセンスだと考えます。そして、私と同意見のビジネスマンも多いのではないかと思います。
さて、この時期の肌着選びでもっとも気を付けるのが、「吸水速乾性」と「白シャツの下に着ても透けにくい」の2点ではないでしょうか。近年では各ブランドからこの2点をカバーしたメンズ肌着が発売されています。