国内

元米軍大佐「戦場で一番リスキーなのは偵察機」

一番技術があるのは海軍のパイロット?

一番技術があるのは海軍のパイロット?

 警察や軍関係の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、米軍の航空機事情について元大佐が語る。

 * * *
「戦闘機のパイロットで一番、技術があるのは空軍のパイロットじゃない」

 インド洋上で海上自衛隊の護衛艦「いずも」の隊員たちが、フランスの原子力空母「シャルル・ド・ゴール」の艦載機の発着艦訓練の様子を視察しているニュースを見て、米軍の元大佐に取材した際にこんな話をしてくれたことを思い出した。

 戦闘機のパイロットと聞いて、まず思い浮かぶのは空軍ではないだろうか。自衛隊なら、パッと思い出すのは航空自衛隊のブルーインパルスが見せる華麗なアクロバット飛行だ。ところが、最も高い飛行技術を持つのは空軍ではないというのだ。

「空軍が発着するのは陸の上だろう。陸は当然、動かない。でも空母は動いている。ゆっくり動いているように見える空母でも、実はかなりの早さで進んでいるし、揺れもする。広い海の上では、空母なんてほんの小さな点にすぎない。機体の姿勢、進入角度、進入するコースと速度がわずかでも違えば…」

 元大佐は両手を広げて肩をすくめてみせた。停止できずに空母から落ちるか、艦上に衝突するか、それとも海上に叩きつけられるか…。どちらにしろ大事故につながりかねない。

 実際、米海軍横須賀基地を視察し、停泊中の原子力空母「ジョージ・ワシントン」に乗船させてもらったことがある。艦内は迷路のようで、倉庫や甲板は公園のように広く平らだった。事実上、空母化が決まっており、戦闘機が発着艦できるよう改修されるという「いずも」も同じだが、戦闘機を着艦させるとなれば、広く長く見える甲板の距離ですら、あまりに短いものとなる。

「だから空軍のパイロットはそこから飛び立つことはできても、動いている艦に着艦させることができない。特に暗闇での着艦は目視が利かないから困難になる。着艦できるのは海軍と海兵隊のパイロットだ。技量が一番あるのは海軍、技量に加えてガッツがあるのが海兵隊になる」

 トム・クルーズ主演『トップガン』が、空軍ではなく海軍のパイロット養成訓練学校を舞台としているのはそのためだという。

「戦場でさらにリスキーなのは偵察機さ」

 最も危険なのは戦闘機だと思っていたが、実際は違うらしい。

「戦場に最初に行くのは偵察機だ。最初が一番、危険なのさ。偵察機は小さくて高速で飛ぶため、機体は軽いがその分、機体自体が薄くできている。戦闘機のような武器も搭載していないから、迎撃されて撃たれたら落ちるしかない。偵察機のパイロットも高い技術が必要になる。有事では、どのパイロットもリスクを承知で飛び立つけどね」

関連記事

トピックス

Instagramにはツーショットが投稿されていた
《女優・中山美穂さんが芸人の浜田雅功にアドバイス求めた理由》ドラマ『もしも願いが叶うなら』プロデューサーが見た「台本3ページ長セリフ」の緊迫
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン