トランプ米大統領は今後、米国向けに輸出する中国製品すべてに対して、ほぼ25%の関税を上乗せ、一方の中国も米国製品に対して同様の措置をとることを発表するなど米中貿易戦争は激化の一途をたどっている。そんな中、在北京および在上海の米国商工会議所のアンケートに対して、中国に進出している米国企業の約75%が「米中貿易戦争の影響を強く受けている」と答えた。
このほか、40%が「生産拠点や営業拠点を中国以外の国・地域に移転することを検討している」と回答していることが分かった。米政府系報道機関「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」が報じた。
このアンケートは在北京および在上海の米国商工会議所が共同で5月中旬、米企業250社を対象にして行ったもので、その結果を5月22日に発表した。
それによると、3分の1の米国企業が当初予定の中国での投資の拡大予定を取り止めたり、遅らせているという。また、3分の1の企業が今後は中国内で生産した製品について、輸出ではなく、中国内での販売拡大を重視する方針に転換すると答えている。
また、今回のアンケート調査では、米中関係が緊張するにつれて、20%の企業が中国政府機関からの製品の検査が多くなっていると答えているほか、15%の企業が中国政府機関から製品の輸出や販売についての許可に要する時間が長くなっていると回答している。また、検査の方法も複雑になっているのに加えて、中国側が意図的に検査を遅らせていると感じているという。