「あれ? このジャケット、どこかで見たことが…」
そう気づいた人は、かなりの朝ドラ通といえるだろう。5月10日放送の『なつぞら』第35話で天陽(吉沢亮・25才)と照男(清原翔・26才)がスキー対決を演じたシーン。ここで照男が着ていた黄色のチェック柄ジャケットが『とと姉ちゃん』(2016年)で向井理(37才)、『ひよっこ』(2017年)で竹内涼真(26才)が着用していたものと同じだったのだ。
「向井くん、竹内くん、とイケメンかつスタイル抜群の俳優さんたちに代々受け継がれてきた“イケメンジャケット”を次に着たのが、モデル出身の清原くんなのは納得。本当にお似合いでした」(40代・会社員)
『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)などの著書があるライターの木俣冬さんは次のように分析する。
「おそらく『なつぞら』の衣装は、『とと姉ちゃん』や『ひよっこ』と同じ衣装会社に発注しているのでしょう。当時の衣装は入手が難しいので、バリエーションも限られます。この3作品は時代設定が近く、着用した役者の体形も似ているため、同じものが選ばれたのだと思います」(木俣さん・以下同)
木俣さんによると、このジャケット以外にも衣装の着回しはいくつか見られるという。
「『まんぷく』(2018年)の大谷亮平さん(38才)と『べっぴんさん』(2016年)の生瀬勝久さん(58才)のセーターが同じだとSNS上で盛り上がっていました。大谷さん演じる真一が再婚相手に編んでもらったセーターだったのに、『べっぴんさんでも着ていたじゃないか!』とツッコミがありましたね(笑い)」
使い回されているのは衣装だけではない。『あさが来た』(2015年)と『べっぴんさん』では同じティーカップが使われていたという。
「忙しい中でも的確に時代や季節、役者に合うものを揃えられるように定番ものをキープしているのだと思います。また、制作費を無駄遣いしていないことをさりげなく視聴者にアピールする効果もあるのかもしれませんね」
衣装や小道具など、すみずみまで注目してみると、新たな楽しみ方が生まれそうだ。
※女性セブン2019年6月6日号