6月4日からプロ野球では交流戦が始まる。2005年のスタートから昨年までの14回のうち、パ・リーグが13回勝ち越した。交流戦の「パ高セ低」は風物詩となっている。
広島と首位争いする巨人の状況は深刻だ。エース・菅野智之(29)は腰の違和感で登録抹消。交流戦前には再登録される見込みだが、今年の菅野は本調子にはほど遠い。リリーフ陣の層も厚いとはとてもいえない。
辛口評論で知られる江本孟紀氏が語る。
「打線にも不安が多い。坂本(勇人、30)、丸(佳浩、30)に続く4番の岡本(和真、22)がことごとくチャンスを潰している。現状の投手力では“打ち合い”は避けられないが、パに打ち勝てるかは疑問ですね」
3度目の就任となった名将・原辰徳監督(60)を取り巻く環境も厳しい。
「GMもヘッドもいない全権監督であることがどう影響するか。監督の存在感だけが突出し、宮本(和知、55)や元木(大介、47)といった経験に乏しいコーチ陣は自分のキャラを抑えて監督の顔色をうかがっている。どんな名監督も時には選択ミスをするが、それを進言できる腹心がいないとね。
選手の中からリーダーシップを発揮する選手が出てきてほしいところだが、上原(浩治、44)が引退し、さらに菅野が二軍に落ちたことで、精神的支柱がいなくなってしまった。兄貴分だった内海(哲也、37)が西武に人的補償で移籍してしまったことが、ボディーブローのように効いてきている」(スポーツ紙デスク)
今年の交流戦は、3連戦が6カード予定されている。セの覇権を争う両チームは梅雨の季節を晴れやかに乗り切れるのか。
※週刊ポスト2019年6月7日号