「役所の人から家族構成を電話で聞かれたんだけど、これ詐欺!?」、「度重なる騒音で眠れない…」など、緊急事態ではないけれど、普段の生活が脅かされそうな困りごと。このような相談が、昨年は過去最多の220万8299件も警察に寄せられたという。
日々発生するトラブルの多くは、緊急性がない場合が多いが、相談場所に迷うもの。そんな相談を受け付けるため、全国の警察では、電話番号「#9110」で繋がる相談窓口を1989年に開設。相談内容により、オペレーターが担当部署やDVシェルターなど、相談場所を提案してくれる。
◆巧妙化する犯罪から予防の相談が増加
相談件数が増えた背景には、「犯罪手口の巧妙化で、不安になる人が多いことが挙げられる」と、防犯アドバイザーの京師美佳さんは分析する。
「しかも“犯罪などによる被害防止”の相談が上位にきているように、振り込め詐欺やアポ電強盗など、誰もが事件に巻き込まれる可能性が高まっていることもその一因です」(京師さん・以下同)
電話を使った詐欺は、年々巧妙化している。
「最近は手口が複雑化しています。まず、電話番号を変えたと息子を名乗る人物から電話がある。その後、忘れた頃に再び電話で送金を頼まれる。詐欺に警戒していても、すでに息子の番号として登録済みなので、信用してしまう人も多いんです」
詐欺師たちは、元号が変わった、新年度になったなど、その時期にあった内容で、うっかり信じてしまいそうな罠を用意している。
また、天候もよくなり、窓を開けて過ごしていたり、外出も増えるこれからの時期は、空き巣にも注意が必要だ。
「犯罪者は、電話で情報を聞き出し、現地を下見するなど、常にターゲットはいないか物色しています。まずは狙わせない工夫が大切です。最近は空き巣犯がネットでも下調べします。旅先からのSNS発信は避けましょう」
また、世界中の景色が住所検索で閲覧できる『Googleストリートビュー』を使うと、車種まで丸見えに。専用フォームから削除申請できるので、車や表札などにモザイクをかけてもらうと安心だ。
※女性セブン2019年6月13日号