6月4日から「セ・パ交流戦」が開幕。毎年、パ高セ低などと言われ、交流戦順位はパ・リーグ→セ・リーグの順となるのが通例だった。だが、昨年は最下位に沈んでいたヤクルトが交流戦で優勝し、ペナントレースでも2位に食い込んだ。今年のセ・リーグで、交流戦後に抜け出すチームはどこになるか。「今年のパは弱いよ」と力強く言い切る野球評論家・達川光男氏が語る。
「台風の目はDeNAですが、交流戦が終わったら広島が首位を独走しとるでしょう。なんといっても投手陣は、先発の枚数が揃っている。3年目ながらこれまで交流戦で登板がないカープの床田寛樹(24)なんかは、初見では打てんと思うよ。床田は左対左で内角に厳しく投げられる。パにいない左腕です」(達川氏・以下同)
さらに広島は打線にも上積み要素があるという。
「鈴木誠也(24)が核となっている打線は、唯一の懸念が田中広輔(29)の不調。ただ、詳しくは言えんけど、実はここまでケガを抱えながらのプレーになっていて、それが治り、交流戦からはまた打ち出すと思う。田中が打率2割5分まで戻したら、カープは手が付けられんようになる」
一方、いまひとつ波に乗りきれない巨人の交流戦はどう読むか。
「巨人は落ちていくんじゃないか。菅野智之(29)は交流戦に戻ってくるじゃろうが、中継ぎがようない。4点差ではセーフティリードにならんから、先発を引っ張りすぎてしまう。打線がカバーするにも、限界があるでしょう」
交流戦の第2カード(6月7日~)は、ソフトバンク対広島の3連戦という昨年の日本シリーズの再現となる。シリーズではソフトバンクの“頭脳”として見事に古巣を封じた達川氏だが、「今回は同じようにはいかん。セとパのどちらが優勢か、このカードではっきりするじゃろうね」と笑顔で締めくくった。
※週刊ポスト2019年6月14日号