『万葉集』に収められた『梅花の歌三十二首』の序文が新元号“令和”の引用元と発表されて以来、一躍脚光を浴びている福岡・太宰府。そんな令和ゆかりの地を巡る。
『梅花の歌三十二首』は、大宰府や九州諸国の役人を招き、大伴旅人の邸宅で開かれた宴で詠まれた。旅人の邸宅があった場所は、『大宰府政庁跡』近くや『坂本八幡宮』など諸説あるが、改元の発表に伴い問い合わせが殺到。大型連休中は数万人の観光客が訪れた。
「坂本八幡宮は地元が守ってきた小さな神社。ここ数年で参道を整備し、今年3月には境内のいすを新調。きれいになったところで注目され、導かれていたようで驚いています」(坂本八幡宮 氏子会会長・一臣木原さん)
【大伴旅人ってどんな人?】
728年頃に大宰府へ赴任した政治家・歌人で、歌を詠む宴を開いた。『万葉集』編者の大伴家持の父。
◆大宰府政庁跡
住所:太宰府市観世音寺4-6-1
大宰府は、7~12世紀に古代九州を統括。地方最大規模の都市として栄え、外交の窓口でもあった。約211×111.6mほどの政庁跡には礎石が残り、自由に散策できる。春は桜の花、秋は紅葉と四季を通してハイキングコースとしても人気。
『大宰府政庁跡』に隣接する『大宰府展示館』には、令和の由来となった梅花の宴を再現した博多人形のジオラマが。山村延燁氏が30年ほど前に製作。
◆坂本八幡宮
住所:太宰府市坂本3-14-23
※書き置きの御朱印・御札の授与は月・木曜以外の9時~16時予定。手書きの御朱印は不定期
平安時代には土地神様として崇拝された、応神天皇をご祭神とするこぢんまりした神社。毎年、七夕や11月に地元の人たちによって祭が行われている。改元を機に、参拝客が急増。
撮影/深澤慎平
※女性セブン2019年6月20日号