プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手(21才)やプロゴルファーのタイガー・ウッズ選手(43才)など、一流アスリートほど、試合中に独り言を言っているのをご存じだろうか? 自分に語りかけることで集中力が上がり、ポジティブな発想に切り替えられるのだそう。そんな“独り言”の効能と使いこなし術を紹介する。
◆人には声に出して話したい欲求がある
「人間は社会的な動物なので、コミュニケーションをとりたいという欲求が誰しもあります。だから話す相手がいないとストレスに。その場合は自分に話すと、コミュニケーションをとっている気になれ、自分を慰められるのです」(精神科医・ゆうきゆうさん)
つまり独り言にはストレス解消の効果があるのだ。独り言にはほかにも、思考を整理し、気分を落ち着かせる効果がある。また、自己暗示もかけられる。受験生が「絶対に合格するぞ。大丈夫!」などと言い続けると気持ちが前向きになるのがそれだ。
勝負にこだわるスポーツ選手も独り言を使う場面があると、メンタルトレーナーの筒井香さんは言う。
「多くのスポーツ選手は、独り言を活用して負けられない場面でも心を調節し、パフォーマンスを上げて成績を残しています」(筒井さん)
◆声に出す言葉は前向きなものを
独り言は、ただ何を言ってもいいわけではないという。
「反射的に出る言葉には、ネガティブな意味を持つものが圧倒的に多いんです。例えば、“ムカつく”とか“ウザい”“最悪”なんて、独り言を口にしてはいませんか? 幸せや成功を目指すなら、発する言葉はポジティブなものにした方がいい」
とは、日本ほめる達人協会の理事長・西村貴好さんだ。
「例えば、“D”のつく3つの言葉は言わない方がいい。それは“でも”“だって”“どうせ”です。これらを言った瞬間、物事をプラスに考えられなくなります。ですからなるべく、“S”のつく4つの言葉を使うように意識しましょう。それは“すごい”“さすが”“素晴らしい”“ステキ”です」(西村さん)
4つのSに加え、アクシデントに見舞われた時は、「そうきたか」と、声に出すのがおすすめだという。
いきなり考え方を変えるのは非常に難しい。しかし、使う言葉は意識して変えられる。つまり、考え方を変えたかったら、まず使う言葉を変えればいいのだ。そうすることで、ひいては人生も変えられる。