トランプ大統領はすでに、米国向けに輸出されている2000億ドル分の中国製品のほか、残りの3250億ドル分の中国製品にも最大で25%もの関税を上乗せることを発表している。これについて、バノン氏は「ウォール・ストリートの人々はドナルドが中国に強硬になることで、株価が下がることを心配しているといわれるが、これは大うそだ。そうなってもあくまでも短期的だ」と分析。
米中貿易戦争によって、米国内の農業従事者が大きな被害を受ける可能性があるとの観測についても、「米国の農民はアメリカの繁栄が続くことを信じている。また、アメリカの労働者も米中貿易戦争で、アメリカが勝つことで、雇用が戻ってくることを確信している」と断定した。この理由について、バノン氏は「ドナルドの最大の支持者はラストベルト(米中西部から南部のかつての米国の工業地帯)に集中している白人労働者だからだ」と主張した。
バノン氏は6月下旬の大阪での米中首脳会談について、「ドナルドは習近平国家主席と会談することになるだろう。しかし、これまでの米中協議をみれば、両者の主張の違いは大きく、ドナルドと習主席の話し合いで、そのギャップを埋めることができるとは思わない」と述べて、悲観的な見方を明らかにした。