芸人と女優がまた結婚した。その組み合わせ自体は珍しくないが、今回は非モテ芸人の代表格である南海キャンディーズの山里亮太と、モテ女優として知られてきた蒼井優の二人だ。山里の非モテ芸の完成形に近い『テラスハウス』(Netflix)のコメンタリーと、YouTubeで公開されているテラハコメントのスピンオフシリーズ『山チャンネル』の今後はどうなるのか。女優との結婚は、今後の『山チャンネル』にどんな変化をもたらすのか、イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が考えた。
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3月6日、都内某所にて業界関係者Eさんに「ヨシムラ君、『テラスハウス』好きだよね」と話しかけられた。「山ちゃんが『テラハ』を解説する動画『山チャンネル』が好きなんです」と僕。すると、Eさんがサービストークをしてくれた。
「ここだけの話なんだけどさ……、絶対に書かないでよ!
女優の蒼井優がさ、山ちゃんの解説にどハマりしてるんだって。山ちゃん、蒼井優と飯食いに行ったらしいよ」
「マジすか!すごいですね!コレが縁で付き合ったりして(笑)」
「いやぁ、ないない。山ちゃんはストイックだからね。そういうことをしないから偉いんだよ」
「確かに……、幸せにならないように努力されている方ですもんね」
すいません、Eさん書いちゃいました。
しかし、書いても問題はないだろう。なぜなら、昨年12月13日放送の『アウト×デラックス』で「蒼井優ちゃんは私がやっている“ある番組”が好きで、その番組の話を聞くための食事会があったんです」と山里本人の口から語られているからだ。つまり、このコラムで世間に初めて開示される情報とは“ある番組”が『テラスハウス』というだけだ。
山里と蒼井のキューピッドとなった『テラスハウス』。この番組は二面性を持っている。
一面は“男女6人のイケ好かない共同生活”を観る番組。HPなどにある番組紹介と異なる言葉を使っているのは、フジテレビで放送されていた際、未見だった僕が抱いていた印象ゆえ。自分を慰めたいわけではないが、この紹介も間違ってはいない。
そして、観ていなければわからないもう一面が“男女6人のイケ好かない共同生活を揶揄”する番組だということ。もちろんこれも、個人的な感情が加味された形容である。
24時間体制で撮影される共同生活では、様々な問題が発生する。そのVTRを観つつ、タレントのYOUを筆頭とした6名のスタジオキャストがツッコんでいく。その急先鋒が山里だった。あらゆるレトリックを使い、男女6人の人間性を暴く。
『テラスハウス』名物ともいえる山里の舌鋒、これだけに特化しているのが冒頭の会話にも出てきた『山チャンネル』だ。薄暗くなったスタジオに1人残った山里は、本人曰くの負け犬。男女6人の態度に対して、吠えに吠えまくる内容。
ある時は、自らトラブルを作ってはそれを楽しむ女性を「人を殺したあとクラシックをかけながら飯食ってそう」と評した。どのシーズンにも必ず1人はいるアーティスティックな雰囲気だけで場を乗り切ろうとする男性も、格好の餌食となる。山里は「いつか、お前らみたいな人間を追い詰めボコボコにしてやるからな!」と息巻く。
こう書けば、ただの悪口に聞こえるかもしれない。ただし、本編を観ている人にとって『山チャンネル』の山里の言葉は、『テラスハウス』を観ていると自然と溜まるモヤモヤの代弁。コチラの溜飲を下げてくれる至言へと化ける。