臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々を心理的に分析する。今回は、電撃結婚を発表した山里亮太さんと蒼井優さんを分析。
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先週、他のニュースが頭から吹っ飛んでしまうくらい驚かされたのが、お笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太さんと女優・蒼井優さんの結婚報告会見だった。
まず何より印象的だったのは、蒼井さんが会見で見せた可愛く、弾けるような笑顔だ。女優として役を演じている時の笑顔とは違う満面の笑みからは、彼女が感じている幸せが伝わってくる。彼女をそんな笑顔にさせたのは山ちゃんなのだ。
そこで気がついたのは、山ちゃんと蒼井さんが結婚したのは、互いが互いに求めていた理想とする愛情の表し方がぴったり当てはまったからなのでは、ということだ。愛情の表し方や表す度合いは人ぞれぞれだが、そもそも男性と女性では相手に求める愛情に違う部分があるだろう。
結婚の決め手について聞かれた蒼井さんは、考え込むように首を傾げたが、最初に挙げた理由は「一緒にいてしんどいくらい笑わせてくれて」だ。“笑える”ではなく“笑わせてくれる”というのは、自分に対する優しさや気配りがあると感じている時に使う言い方だ。山ちゃんからすれば、「あなたは面白い!」と太鼓判を押されたようなもの。お笑い芸人として、これほど嬉しい言葉はないだろう。
会見冒頭、あまりの緊張からマイクを持つのを忘れて立ち上がり、大慌てでマイクを取り上げた山ちゃんに、蒼井さんは笑い転げるように身をよじらせた。会見中も山ちゃんの話にコロコロと笑う彼女の姿は、山ちゃんが好きというだけでなく、芸人として尊敬している、その才能を信じているように、見ている側に印象付けた。山ちゃんも、蒼井さんの「笑っている姿がすばらしい」とコメントしていたほどだ。彼女の笑う姿が自信につながっているのだろう。
蒼井さんは結婚の決め手について、「大事なことを言い忘れていた」と最後に再度マイクを握った。思いを言葉に乗せるようにゆっくりと、「山里さんの仕事に対する姿勢を尊敬しています」。一度、山ちゃんの方に身体を向け「なぜ生涯をともにしようと思ったかというと」という表現をする。「結婚」という“点”ではなく、「生涯」という“線”で捉えた言い方をしたことから、彼女も彼に惚れ込んでいることがわかる。