体型と病気のリスクについての研究が進んでいるが、日本人の身体的特徴として挙げられる「胴長短足」が「肝臓病リスクになる」との指摘もある。
「2008年、英・ブリストル大学のアビゲイル・フレイザー教授が同国の公衆衛生専門誌に発表した研究で、足が短い人ほど肝臓病の指標である酵素マーカーの値が悪かったと指摘しました」(医療経済ジャーナリスト・室井一辰氏)
この研究は、60~79歳の英国女性4300人を対象に行なわれた。足の長さの測定は身長から座高を引くという方法をとっており、その結果を「49.8~74cm」「74.1~77.4cm」「77.5cm~100.7cm」の3群に分類。同時に、採血検査を行ない、肝臓の酵素マーカー値を測定した結果を集計した。
「著者のフレイザー教授は論文の冒頭で『足の長さは子供時代の栄養状態と関係する』と指摘。また、『小児期の栄養状態が悪かった人は肝臓の発育にも影響を及ぼし、成人後、肝機能に影響する可能性があるとされる』とし、その関係を調べたと記しています。この研究の対象は女性だけでしたが、著者の立てた仮説からすれば、男性でも同じことが言えるでしょう」(同前)
文部科学省は2016年、学校の健康診断で行なわれる「座高測定」を廃止したが、こうした研究が進むことで復活する日が来るかもしれない。
※週刊ポスト2019年6月21日号