とくに支持政党を持たず厚く信仰する宗教もナシ、というのが日本人の一般的な庶民像だった。ところが、ネットが広く普及するにつれ、政治への関心は意外に高いかもしれない面が見えている。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、米トランプ大統領来日時の「アイダホ産ポテト」をめぐる騒動を振り返り、ネットと政治への関心について考えた。
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『週刊ポスト』6月10日発売号に掲載された「トランプ大統領が堪能した『アイダホ産ポテト』は本当は国産だった」記事を、私が編集に携わるウェブサイト「NEWSポストセブン」に転載した際の反応が実に興味深かった。何しろアツいのである。元々日本人は政治に関心がない、と言われているが、SNS時代になって「そうでもないのでは?」と思うことが増えてきた。
自分の支持する側に批判的に見える記事を出したメディアは“マスゴミ”扱い。評論家等も、政権支持派か反対派かで敵対勢力からゴミクズ扱い。
今回の「本当は国産」がなぜ、政治的イシューになったかといえば、これは政権支持派の心の琴線に触れてしまったからだ。トランプ氏が訪れた炉端焼き屋では、「和牛」と「アイダホ産ポテト」が饗されたとテレビ等で報じられた。我が国の誇りである美味なる和牛をトランプ夫妻に堪能していただくとともに、相手の国も尊重する「おもてなし」の姿勢を見せるべくアイダホ産ポテトを出した。さすが安倍ちゃん、外交センス抜群! 外務省はよく分かってる! これで日米同盟は盤石だ!
こんな気持ちになっていたところ、ポストが突然「あのイモ、国産だったらしいッスよ」と報じてしまったのだ。となれば、絶賛のコメントをネットに書いた者や感じた者からすれば、ハシゴを外された形となる。