国内

動物虐待を見かけた時に取るべき行動、ただしSNS投稿は危険

飼えなくなったからと遺棄する、充分な食事を与えない、不摂生な環境下で飼育する、病院に連れて行かないなども動物虐待となる。これらが発覚した場合、飼い主に100万円以下の罰金が科される(Ph:Getty Images)

 警察庁によると、2018年に動物を虐待したとして動物愛護法違反の疑いで検挙された件数は84件と、過去最多を記録。そのうち51件は猫に関する事件でした。ここでは、虐待の現場を目撃したらすべきことを解説。あなたの一報で救われる命があるかもしれない。

 今年2月、猫2匹を虐待したとして福岡県に住む男が動物愛護管理法(通称・動物愛護法)違反の疑いで逮捕された。この男は、野良猫のしっぽをつかんで水路に投げ込んでいる様子を撮影し、動画サイトに投稿していた。その投稿を見た人からの通報により事件が発覚し、逮捕となった。

「動物をみだりに傷つけた者には、動物愛護法で、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科されます(動物の愛護及び管理に関する法律44条1項)」と、ペットに関する事件やトラブルに詳しい弁護士の杉村亜紀子さんは言う。

 ペットブームの一方で、後を絶たない動物虐待に対して、国も対策に動いている。今月12日の参院本会議で可決、成立した改正動物愛護法には、ペットの遺棄や虐待防止として飼い主の名前や連絡先などを登録した「マイクロチップ装着の義務化」や、ペットを殺傷した際の法定刑を、現行の2倍以上となる「5年以下の懲役または500万円以下の罰金へ引き上げる」などが盛り込まれた。

 では、もし動物やペットへの虐待を目撃したら、どうしたらいいのか?

「まずは110番し、警察へ通報してください。ただし、警察は虐待の証拠がなければ動けません。飼い主が“しつけだ”と主張した場合、警察が動きにくいので、自治体の保健所や動物愛護センターにも連絡するといいでしょう」(杉村さん・以下同)

 虐待かどうかの判断が難しい場合は、民間の動物愛護団体に相談するのも手だ。状況によっては、警察への告発や、保護をしてくれることもある。多頭飼育崩壊も虐待同様の問題。多頭飼育については、自治体によって届け出が義務付けられている場合がある。

「多頭飼育に起因する虐待の恐れがある事態は、勧告・命令の対象になっています(動物愛護法25条3項)。この命令に違反した者は50万円以下の罰金(動物愛護法46条の2)となります」

 虐待されている猫がかわいそうだからと、保護をするつもりで勝手に連れてくるのはNGだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン