日本各地、時には海外を訪問し、分刻みのスケジュールをこなす天皇や皇族方の務めは“体力勝負”だ。ハードな公務を担うため、皇室には単なる体調管理以上の「肉体鍛錬法」がある。
●俊足を育てた「池ジャンプ」
〈幼稚園のときから足がものすごく速かった〉──天皇の学習院時代の同級生の小山泰生氏は、著書でそう振り返っている。
「少年期の天皇陛下が大好きだったのは、東宮御所の庭にあった小さな池を助走をつけて飛び越える遊びだった」(皇室記者)
楽しみながら駆け回ったことが、天皇の運動神経を育てた。また、愛子内親王の誕生後は、愛犬の散歩がてらご家族で赤坂御用地内を散策することも多く、その中で自然と愛子内親王の運動の素養も培われたようだ。
●皇居5キロを27分
2年前の9月、天皇は長野・八ヶ岳連峰の天狗岳の頂上にいた。報道陣が息をあげ、脱落者も出る中、天皇は涼しい顔で標高2646メートルを登頂した。皇室ジャーナリストの神田秀一氏が解説する。
「天皇陛下は、上皇陛下に連れられて7歳の頃に山歩きに行かれたのをきっかけに登山を趣味にされています。お若い頃は、“杖を使わない”ことにこだわっていたといいます。日々、赤坂御用地内をジョギングして体力作りをしている」
2015年2月には、市民ランナーに混じって皇居ラン。1周5キロを、27分20秒で走覇した。
※週刊ポスト2019年7月5日号