便秘は女性に多く、厚労省の国民生活基礎調査(2013年)によれば、便秘を訴える人は男性が26%なのに対し、女性は48.7%もいる。
だが、男性も60代以上になると便秘を訴える人が年々増え、80代ではその割合が女性と同じになる。男性も加齢とともに腹筋が衰えて大便を出す力が弱まることに加え、老化により腸内環境が悪化し、過度に水分が腸に吸収されて大便が硬くなるからだ。
長時間踏ん張った末に、ようやくコロコロと少しだけ出る……。そんな“お通じの悪さ”に悩まされる人は多いが、たかが便秘と侮ってはいけない。大便研究の第一人者で、おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎氏がいう。
「大便が長く腸内に溜まっていると、腸内環境は悪化するばかり。老廃物が体内に回り、生活習慣病やうつ病の原因にもなります。
さらに便秘が悪化すると、小腸に近い部位(横行結腸)あたりにまで大便が詰まってしまい、胃が圧迫され、食欲不振や吐き気を催します。そのままの状態が続けば、腸閉塞になる危険性も高まります」
便秘患者のなかには、排便が「1週間に1回」という人も珍しくなく、多くの人が重病と隣り合わせの現実がある。
便秘の改善には、繊維質の豊富な野菜や海藻類を積極的に食べて、「出やすい便」を作ることが大切だ。
※週刊ポスト2019年7月5日号