「天皇陛下が即位を前に、親しい知人に、長い間あたためてこられたであろうアイディアを相談され、意見を求められたそうです。その内容とは、これから皇室が新時代を迎えるにあたり、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を有効活用することについてどう思うか、というものだったそうです。陛下のよき相談相手でいらっしゃる雅子さまも、共に真剣にご検討されていると聞いています」
そう語るのはある宮内庁関係者である。フェイスブック、ツイッター、インスタグラム──今やあらゆる個人や団体、企業がSNSを駆使する時代だ。ただ、これまで皇室や宮内庁は、公務やイベントを行ったり、新聞やテレビなどのメディアを通じる以外に、活動を国民に知らしめる術を持たず、もちろんSNSのアカウントも作らずにきた。
そんな中での令和新時代の幕開け。SNSの導入は、「国民の中に入っていく皇室でありたい」とたびたび語られてきた陛下にとって、肝いりの宮中改革かもしれない。
ヒントは遠くイギリスに。英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんが解説する。
「欧州では、国民との距離を縮めるために、SNSを利用する王室がほとんどです。“開かれた王室”を自認する英王室をはじめ、スペインやオランダ、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー王室などで、さまざまなSNSが活用されています。
英王室ではウイリアム王子が2013年、長男のジョージ王子が誕生した時にツイッターを使ってその誕生を国民に知らせ、若者の好評を得ました。海外の事情に明るい両陛下も、海外の王室の動きは、もちろんご存じでしょう」
皇室とSNSといえば、2017年6月に陛下がデンマークを訪問された時のこと。首都コペンハーゲンの街を散策中、地元住民に声をかけられた陛下は、リクエストに応じて2人で“自撮り”された。その2か月前、マレーシア訪問の際にも、ナジブ・ラザク元首相(65才)とのツーショット写真に応じられた。それらはSNSで瞬く間に世界中に拡散され、陛下の気さくなお人柄が伝わり、大きな評判になった。
SNSには懸念の声もある。
「2011年、眞子さまが大学生の頃、所属するスキー部の合宿に参加された際のプライベート写真がSNSを通してネットに流出したことがありました」(皇室ジャーナリスト)
英王室も、トラブルに巻き込まれたことがある。