ライフ

高齢ドライバーの運転事故対策、「お助け」グッズの費用と効果

高齢ドライバー問題とどう向き合う?

 高齢ドライバーによる悲惨な交通事故が続発するなか、多くの「予防グッズ」が登場している。ここではそれらを5種紹介しよう。まず、年に7000件発生するブレーキとアクセルの踏み間違い事故を防止するのが「ペダルの見張り番」だ。

「アクセルを電子的に制御するシステムで、時速10km以下ならアクセルペダルを強く踏み込んでも急発進しなくなる。購入者の約8割が60代以上です」(開発したオートバックス社のIR・広報部)

 価格は工賃を含め3万2399円(税込、以下同)。今年5月の売り上げは前年同月比で26倍だという。

「ペダルの見張り番」(提供/オートバックスセブン)

 同じく踏み間違い防止のためにナルセ機材が開発したのが、アクセル・ブレーキ一体型ペダルの「ワンペダル」。ペダルを踏むとブレーキ、足を右に傾けるとアクセルがかかる。特注品のため価格は18万3600円(+工賃)と値が張るものの、それでも半年待ちの人気だ。

「私自身の踏み間違い体験を元に、約30年前に開発しました。14年頃まで年数十台の売り上げだったが、ここ数年は年100台を超えています」(ナルセ機材の鳴瀬益幸・社長)

「ワンペダル」は半年待ち(提供/ナルセ機材)

「居眠りウォッチャーひとみちゃんmini」(慶洋エンジニアリング、3万2184円)は、ハンドルに設置する赤外線センサー。ドライバーの瞼の動きや顔の向きを感知し、「居眠り」と認識すれば警報を出す装置だ。

 シンプルながら巻き込み事故やガードレール衝突などの予防に効果を発揮するのが、サイドミラー下に取り付ける「安全補助ミラー」。価格は1000円前後が多い。

 高齢ドライバー向けの自動車保険が、三井住友海上の「GK見守るクルマの保険」だ。GPSで高速道路の逆走を察知して警報を出すほか、ドラレコを貸与し危険運転を家族に知らせる。発売4か月で契約件数は10万件を突破した。

 自動ブレーキ搭載車に買い替えるには時間も費用も要するが、「後付け」なら導入のハードルは高くない。

※週刊ポスト2019年7月5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン