歴史に残る女性たちの食生活には、健美につながる秘密が隠されている。体は食べ物からできているから、令和の時代に生きる私たちも参考にしていきたいものだ。日本の史実に名を刻む2人の女性はどんな食事を摂っていたのか?
◆清少納言/漢方シロップのかき氷で滋養アップ
平安時代の随筆で清少納言が記した『枕草子』には、かき氷に関する最古の記述がされており、「削り氷」と呼ばれていた。作家・歴史エッセイストの堀江宏樹さんはこう言う。
「清少納言は氷に甘葛(あまずら)からしぼった汁をかけていたと記されています」
甘葛とは、ツル性植物から抽出した甘味料を指し、平安時代までは貴族らの間で砂糖の代わりに使われていた。当時は貴重な糖分源だったが、現代では摂取過多に注意が必要という。漢方薬に詳しい、あいこ皮フ科クリニック院長の柴亜伊子さんはこう付け加える。
「成分は果糖、ブドウ糖、ショ糖。ただし、糖分が高いため、摂りすぎると糖尿病の危険性もあります」
◆春日局/究極の「七色飯」を考案
徳川3代将軍・家光の乳母として徳川家に忠義を尽くした春日局が、究極の健康食として家光のために考案したとされるのが「七色飯」。
赤小豆飯、湯取飯(炊いたご飯を水洗いし、蒸し上げたもの)、茶飯(抹茶を煎じた汁で炊いたご飯)、粟飯、引割飯(米を砕いて炊き上げたご飯)、麦飯、乾飯(炊いた餅米を乾燥させて臼で砕き、熱湯をかけたご飯)で構成されている。七色飯は健康効果が高い。
白澤抗加齢医学研究所の所長で医学博士の白澤卓二さんは、赤小豆は栄養豊富だという。
「赤小豆に含まれるビタミンB1は糖質の燃焼を促し、粟には白米の7倍の食物繊維と6倍の鉄分、5倍のマグネシウム、3倍のカルシウムとカリウムが含まれ、ダイエットにもいい」
※女性セブン2019年7月11日号