芸能

反社と芸能人 小林旭、梅宮辰夫、月亭可朝の「交際伝説」

小林旭には豪快な伝説が多い(時事通信フォト)

 吉本芸人らが反社会勢力への“闇営業”で金をもらっていたとして謹慎処分を受け、テレビ界に激震が走っている。黒い交際は大問題だが、この期に及んで「間接的」だの「知らなかった」だの、なんと往生際の悪いことか。時代が異なると言ってしまえばそれまでだが、昔のスターは違った。プロインタビュアーの吉田豪氏が、自ら見聞した大物芸能人と「反社の人々」の交際伝説を振り返る。

 * * *
 今回の吉本芸人たちを見ていると、テレビに出られなくなるのが怖くて嘘をつかざるを得なかったんだろうなぁと思います。反社と知っていたかどうかはともかく、そこからお金を貰っているのがバレたらテレビ的には絶対アウトだし、大きな仕事があるから認めるわけにはいかなかったんでしょう。

 吉本興業ではちょくちょくヤクザがらみの問題が起きている印象がありますが、1970年代に楽屋での賭け事を禁止したあたりから反社との付き合いに厳しくしてきたんです。なにせそれまでは大っぴらに楽屋で「おいちょかぶ」(花札のゲーム)とかが行なわれていて、ヤクザが負け金を取り立てに来るのが当たり前だったみたいですから。決定打になったのが、1979年に吉本芸人たちの野球賭博が問題になった時でした。

 その騒動で吉本を辞めたときのことを、昨年亡くなった月亭可朝さんがインタビューでこんなふうに言ってました。

「『なぜいかんのか?』と聞いたんですよ。ほんだら『暴力団の資金源になるからに決まっとるやないか』って言うから、『私はいま勝ってますんで、暴力団の資金を吸い上げてるんですから、そんなら表彰もんでっか?』言うたら『アホなこと言うな!』って怒りよったね」(吉田豪著『新人間コク宝』より)

 全然反省してないんですよ(笑)。それが原因でテレビから干されるんですけど、この頃は吉本の対応もかなりいい加減で、局から弁償を求められるのを恐れて吉本から「お前、ウチの専属じゃなかったようにしといてくれ」と可朝さんに頼んだそうです。

 でも、可朝さんは落語家として高座に上がれる場があったから、別に吉本辞めてテレビに出られなくなってもやっていけたんです。

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