4月に10連敗を喫し、セ・リーグ最下位に低迷していた横浜DeNAベイスターズ。5月以降は持ち直し、交流戦では10勝7敗1分けと勝ち越し、セ・リーグ2位の成績を収めた。交流戦明けの広島3連戦で2勝1分と勝ち越し、阪神と並んで同率3位に上がってきた。首位・巨人までは5.5ゲーム差だ(記録は6月30日現在)。野球担当記者が語る。
「4月のラミレス監督は打順をいじり過ぎて、選手もペースが掴めなかった印象です。5月からは打順もある程度固定されるようになり、打線も上向いてきた。中でも、『1番センター・神里和毅』は5月8日から動いていません」
打率3割をキープする2年目の神里が台頭する一方で、DeNAのお祭り男の陰が薄くなっている。2年前、シーズン3位からクライマックスシリーズを勝ち上がって日本シリーズに進出した時、143試合にフル出場した桑原将志だ。
「あの年は序盤打てなかった桑原をラミレス監督が我慢して『1番センター』で起用し続け、13本塁打、52打点とパンチ力のある1番としてチームに貢献しました。しかし、レギュラーを確保したと思ったのも束の間、背番号を37から1に変更した昨年は不振に陥り、現在では控えに甘じています」
今季、ほとんど見せ場のなかった桑原は6月29日の広島戦、延長10回にサヨナラの口火を切る三塁打を放った。
「桑原はガッツのあるムードメーカーなので、打てばチームが盛り上がる。一昨年ゴールデングラブ賞を獲得したように、守備力も神里より上の評価。彼の調子が上がってくれば、主にライトを守るソトをセカンドで使って、桑原を外野のスタメンで起用できる。センターで固定できれば、チームの守備力も向上するのですが」
桑原は『ミスター・ジュライ』と呼んでもいいほど、7月には滅法強い。フル出場した2017年は打率3割8分9厘、6本塁打、14打点で月間MVPに輝いている。シーズン通して安定的な成績を残せなかった昨年も、7月は76打数32安打で打率4割2分1厘、出塁率4割7分と絶好調だった。通算で333打数107安打、打率3割2分1厘、12本塁打、41打点と打っている。DeNAの7月反攻には、お祭り男の活躍が欠かせない。