芸能

ジャニー社長が苦悩した脱退と解散、窮地救ったたのきん

ジャニーズ事務所創業のいきさつとは?(写真/共同通信社)

「今はジャニーさんが一日も早く元気に回復してくれることを祈っています。(中略)この話で暗い会見になるのはジャニーも望んでいないと思いますので、明るく楽しくやりたいと思います」

 嵐の松本潤(35才)は7月1日の記者会見で、恩師の一刻も早い回復を願った。ジャニー喜多川、87才。ジャニーズ事務所社長。その男はたった1人で、男性アイドルの歴史を変え、日本のショービジネス、エンターテインメントの世界を変えた。天才であり、鬼才だ。

 ジャニーさんは1931年10月、日本人の両親の間に、米ロサンゼルスで生まれた。真言宗の僧侶である父親は、ロスのダウンタウンの中心にある日本人街リトルトーキョーの高野山米国別院の主務を務めていた。

 ジャニーさんが2才の時に一家は帰国するが、戦後、再びロスに渡った。ジャニーさんは姉とともにロスの高校に通った。1950年には父親がロスの寺院に設置したステージ「高野山ホール」に、美空ひばりさん(享年52)、田中絹代さん(享年67)、古賀政男さん(享年73)といった往年のスターが続々とやってきた。そのサポートをしたことが、ジャニーさんがショービジネスの世界に足を踏み入れるきっかけとなった。

 1950~1953年の朝鮮戦争では、アメリカ軍兵士として徴兵された経験もある。

 その後、ジャニーさんは日本に戻ってアメリカ大使館の関連団体に勤務した。当時、仕事の合間に東京・代々木公園に近所の子供たちを集めて、アメリカ仕込みのベースボールを教えていた。

 そこにいたのが、あおい輝彦(71才)、真家ひろみさん(享年53)、飯野おさみ(72才)、中谷良(71才)という4人の同級生だった。

 彼らに目をつけたジャニーさんは、歌と踊りのレッスンに通わせた。その時、ジャニーさんが付けたグループ名が「ジャニーズ」だった。

 1962年にジャニーさんはジャニーズ事務所を創業し、その2年後に満を持して、ジャニーズをデビューさせた。歌は歌手、踊りはダンサーという明確な区別があった当時、歌って踊れる少年アイドルグループの登場は衝撃的だった。

 1968年には、おりも政夫(66才)らが所属する4人組のフォーリーブスがデビューして一躍人気者になった。さらに4年後、フォーリーブスのバックダンサーを経て『男の子女の子』でデビューしたのが郷ひろみ(63才)だ。

 しかし1975年に大きな転機が訪れる。郷がジャニーズ事務所から移籍したのだ。当時の苦しい心境をジャニーさんは『AERA』(1997年3月24日号)のインタビューでこう語っている。

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