朝食を食べないと一日の集中力が下がり、仕事や勉強の能率が落ち、疲れやすくなる──そうした朝食の重要性は、年齢にかかわらずすでに常識となっている。
とはいえ、ただ「何か」を口に放り込めばいいというわけではない。同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授は、「朝に食べるからこそ効果が大きい食材」として、意識的に特定のメニューを朝食に取り入れていた。
米井教授が朝に食べているのは「牛丼」だ。これと共に「お茶」を飲む。
「私たちの研究で、朝に牛丼を食べると、昼食以降に血糖値が急上昇するのを予防できることがわかりました。被験者におにぎり、サンドイッチ、牛丼を朝食として食べてもらい、昼食後の血糖値の上がり方を計測した結果、牛丼を食べた人が最も血糖値が上がりにくかったのです」
血糖値が急上昇すると、老化を引き起こしたり、糖尿病を悪化させる「糖化ストレス」が発生する。朝食に牛丼を食べることでそのリスクを軽減できるという。
「1回の食事につき、三大栄養素のたんぱく質:脂質:炭水化物を、2:2:6で摂ることが理想的とされています。牛丼のたんぱく質の割合は15%程度、脂質は20%程度ですから、理想的なバランスのメニューと言えます。
ただし、体調によっては朝から食べるには重く感じることもあるでしょう。極端に疲れが溜まっている時などは、避けたほうが無難です」
※週刊ポスト2019年7月12日号