国際情報

中国の58歳女性 2匹の愛犬に財産相続を申し出るも断念

飼い主の思いは募る

 ペットへの思いは部外者には窺い知れないものだが、思いが強いがゆえに起こる問題もある。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 湖北省宜昌市は、三峡ダムのある街として観光で訪れる者が多い。この街の公証処(公証人役場)でちょっとした騒動が持ち上がったのは、5月末のことだ。メディア関係者が語る。

「この地に住む58歳の女性が、三峡公証処を訪れ、自分の財産を愛犬に相続させたいと突然相談したというのです。女性の両親はすでに他界し、兄弟も親しい友人もいなかったということで、ずっと心の支えになってくれていた2匹の愛犬に財産を託したいと、その方法について相談に来たということでした」

 女性はすでに退職しており、仕事はしていなかった。女性は近頃、自分の体の調子があまりよくないことから、財産の使い道を考えたということだった。女性の財産は不動産が主で、売却すると約60万元(約942万円)。

 だが、もちろん公証処にとっては寝耳に水である。動物愛護の心は尊重しますが、そういう手続きはできないと丁重に断られてしまったという。

 このニュースは『北京青年報』が伝えているが、記事の中に登場する弁護士は、「西側の国のなかには、動植物に遺産を残すということも可能なケースがあるが、中国ではできない。できるとすれば、ある組織や個人と契約して、遺産を定められたように使うこと」と解説していたが、もとより飼い主の希望がかなえられる保証はない。

 ネット上では、このニュースを受けて「生きれば生きるほど、人は犬にはかなわないことを知る」など、様々な書き込みがされていてたという。記事には反応も多く「なんて孤独なんだ」、「親のない子供たちを探して、その子たちに犬をまかせたら?」といった意見が寄せられた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん(2025年5月)
《英才教育》小室眞子さんと小室圭さん、コネチカット州背景に“2人だけの力で”子どもを育てる覚悟
NEWSポストセブン
アントニオ猪木さん
アントニオ猪木を看取った付き人が明かす「最期の2か月」 “原辰徳の物まねタレント”が猪木を介護することになった不思議な巡り合わせ
週刊ポスト
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
【ステーキの焼き方に一家言】産後の小室眞子さんを支えるパパ・小室圭さんの“自慢の手料理”とは 「20年以上お弁当手作り」母・佳代さんの“食育”の影響
NEWSポストセブン
不正駐輪を取り締まるビジネスが(CPGのHPより)
《不正駐輪車を勝手にロック》罰金請求をするビジネスに弁護士は「法的根拠が不明確」と指摘…運営会社は「適正な基準を元に決定」と主張
NEWSポストセブン
「子供のころの夢はスーパーマンだった」前田投手(時事通信フォト)
《ワンオペ育児と旦那の世話に限界を…》米国残留の前田健太投手、別居中の元女子アナ妻が明かした“日本での新生活”
NEWSポストセブン
眞子さんと佳子さま(時事通信フォト)
《眞子さん出産発表の裏に“里帰りせず”の深い溝》秋篠宮夫妻と眞子さんをつないだ“佳子さんの姉妹愛”
NEWSポストセブン
田中容疑者の“薬物性接待”に参加したと証言する元キャバクラ嬢でOLの女性Aさん
《27歳OLが告白》「ラリってるジジイの相手」「女性を切らすと大変なんだ…」レーサム創業者“薬漬け性接待”の参加者が明かした「高額報酬」と「異臭漂うホテル内」
週刊ポスト
宮内庁は小室眞子さんの出産を発表した(時事通信フォト)
【宮内庁が発表】眞子さん出産で注目が集まる悠仁さま成年式「9月ならば小室圭さんとともに出席できる可能性が大いにある」と宮内庁関係者
NEWSポストセブン