芸能

ジャニーズ支えるJr.育成システム 女性アイドル業界では?

ジャニーズ事務所が多くの人気アイドルを輩出できる理由とは?(写真/共同通信社)

 解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血で入院中であることが明らかになったジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長(87歳)。その病室には、連日ジャニーズ事務所のアイドルたちがお見舞いにきているという。

 そんなジャニーズ事務所に所属するタレントたちは皆、ジャニー社長によって見出された逸材ばかりだ。

「ジャニーズ事務所に送られてきた履歴書をジャニー社長がチェックし、目にとまった少年たちがオーディションを受けるそうです。オーディションに合格するとジャニーズJr.として先輩のバックダンサーを務めるわけですが、Jr.としての活動の中でメンバーたちはスキルを磨き、そしてデビューへと向かっていきます」(音楽業界関係者)

 ジャニーズJr.での育成期間を経て、デビューするというシステムは、ジャニー社長が編み出したものだという。アイドル業界に詳しいフリーライターの大塚ナギサ氏はこう話す。

「芸能事務所に所属してレッスンを受けている“タレントの卵”は珍しいものではありません。しかし、ジャニーズJr.は、先輩のステージに立ったり、あるいはジャニーズJr.の単独公演に出演したりと、デビュー予備軍でありながらファンの前でパフォーマンスをする機会が与えられている点が大きな特徴です。客前に立つことでプロ意識も芽生えるし、ファンにとっては、フレッシュな新人たちの成長を見守る楽しみもある。実践的な育成方法としてかなり画期的なシステムです」(大塚氏・以下同)

 こうした育成システムは、女性アイドルの世界にもあるのだろうか?

 たとえば、モーニング娘。’19、アンジュルム、Juice=Juiceなどが所属するハロー!プロジェクトには、ジャニーズJr.に相当する「ハロプロ研修生」という育成組織がある。北海道を拠点に置く「ハロプロ研修生北海道」も活動中だ。

「ハロプロ研修生は、ハロプロ全体が出演するコンサートでバックダンサーを務めるほか、選抜メンバーが先輩グループのコンサートツアーに帯同することもあります。また、3か月に1回『ハロプロ研修生発表会』として、単独公演も行っています」

 ハロプロ研修生内で新ユニットが結成され、デビューすることもあれば、ハロプロ研修生から選ばれたメンバーがモーニング娘。やアンジュルム、Juice=Juiceに加入するというパターンもある。

「ハロプロは一般公募のオーディションも実施していますが、オーディションからいきなり正規メンバーになるケースは減りつつあり、今は研修生からの昇格こそがデビューへのメインルートとなっています。最近のハロプロは、歌やダンスのレベルが高くなっていて、研修生としてレッスンを受けていないと、なかなか先輩たちに追いつけないという事情もあるでしょう。グループとしての完成度を保つためにも、ハロプロ研修生というシステムが重要となっているのです」

 AKB48グループにも「研究生」という形で、デビュー予備軍が所属している。

「48グループの研究生も、正式にグループに所属する前のメンバーです。しかし、ごくまれに研究生の状態で選抜メンバーに選ばれて、コンサートや音楽番組などに出演することもあります。また、何らかの事情で正規メンバーから研究生に降格されることがある点は、48グループならではだと思います」

 乃木坂46にも「研究生」という肩書きのメンバーがいたこともあったが、現在「研究生」は所属していない。

「乃木坂46の2期生は『研究生』として加入し、その後昇格して2期生となりましたが、それ以降は『研究生』という肩書きのメンバーはいません。また、2018年には、乃木坂46、欅坂46、けやき坂46(現・日向坂46)の3組による『坂道合同オーディション』が開催されました。このオーディションでは39名が合格し、そのうち21名が各グループに配属され正規メンバーとなり、残りの合格者は『坂道研修生』となると発表されています。しかしながら、この坂道研修生がファンの前に出てくることはないので、普通の芸能事務所のレッスン生のような存在だと思います」

 ジャニーズだけではなく、女性アイドル業界でもそれぞれ特徴を持った若手の育成システムがあるのだ。

「特にハロプロはライブ活動に重きを置いていますし、48グループも専用劇場での公演が活動のベースにある。ステージ上でのパフォーマンスを重視するアイドルグループにとって、こうした育成システムは理にかなっているということなのでしょう」

 ジャニーズ事務所が多くの人気アイドルを世に送り出すことができるのも、ジャニー社長が編み出したこうした育成システムがあることが大きな要因と言えそうだ。

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
漫画家・柳井嵩の母親・登美子役を演じる松嶋菜々子/(C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
松嶋菜々子、朝ドラ『あんぱん』の母親役に高いモチベーション 脚本は出世作『やまとなでしこ』の中園ミホ氏“闇を感じさせる役”は真骨頂
週刊ポスト
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト