横綱・白鵬が、いよいよ引退の瀬戸際に追い込まれている。もともと「初顔合わせ」に滅法強いことで知られてきたが、2017年初場所の荒鷲(現在は十両10)、同じ場所の14日目に貴ノ岩(2018年に引退)に初顔で土をつけられ、昨年夏場所では当時平幕の阿炎(あび、小結)にも完敗。名古屋場所で対戦のありそうな上位陣のうち、先場所、西前頭5枚目で10勝をあげて西の新小結に昇進した竜電も、白鵬とは初顔となる。白鵬に何かを起こす可能性はあるのか
竜電は6月に都内のホテルで結婚披露宴を行ない、今場所は祝儀場所となるため、本人も相当、気合いが入っているという。
「竜電はケガで十両から序ノ口まで陥落した後、三役まで昇進した苦労人です。両差しが得意で、右四つでも左四つでも両回しを取れば力を発揮する。右四つの白鵬を左四つで食い止められれば、面白い展開になってくる。
最近の白鵬は相撲に余裕がないというか、土俵際で辛うじて相手をかわす身体能力任せのサーカス相撲でなんとか白星を拾っている。相手をよく見て有利な形に持って行くしぶとさが持ち味の竜電が、白鵬に土をつける可能性は十分にある」(相撲担当記者)
白鵬にとって、東前頭筆頭で先場所初優勝を果たした朝乃山と前述の竜電、この初顔の2人が序盤戦の鬼門となる。
※週刊ポスト2019年7月19・26日号