歴史アイドル小日向えりさんが、高齢者の就業支援事業を立ち上げた。タレント活動のかたわら、会社経営者の父親の影響で、起業を志していたという。
現在31才。若き起業家が掲げる“高齢者が長く楽しく続けられる仕事の形”とは何か。
アクティブシニアを歴史上の人物にたとえれば『三国志』の英雄・黄忠。年を重ねて死も意識し、毎日を大切に精一杯生きる。“老いてますます盛んな人”の代名詞の将軍だ。
働き者だった祖母が79才で仕事を辞めたとたんに元気をなくした姿を見て、生涯現役で生き生き暮すための仕事を提供する事業を思い立った。
「若い人はお金や自分の将来のために働くけれど、高齢になると、生きがいのため、また子育てや仕事に一生懸命の若者を応援したいという気持ちが強くなる。そんな気持ちを生かして“お母さん目線”の家事サポート事業を始めました。
単なる家事代行とは違い、家事、子守り、人生相談などなんでも頼めて、お母さんのような安心感が好評です。働き手は好きな時に、得意分野も生かして緩く働くことが可能。若いユーザーとの温かな交流、感謝の言葉などが大きなやりがいとなり、年を重ねても長く続けられます」
仕事は30分からOK。安心の定額制で1時間1450円~、1か月9800円~(3回以内、6時間以内)だ。
この事業の準備のため、一般の家事代行業者に登録し、家事の仕事も経験。“お母さん”として働く人材の採用面接も可能な限り小日向さん自ら行っているという。
「得意分野やスキル、人柄などもよく見て、ユーザーの要望に合わせてマッチングしています。今、働き手もユーザーも問い合わせが急増しています」
現在、働き手は50代後半から80代前半。80代の問い合わせも少なくないという。東京都・神奈川県で展開中だが、関西・九州地方への拡大も計画している。
【Profile】小日向えりさん●歴史アイドルとしてデビュー。NHK高校講座日本史(レギュラー)ほか歴史のテレビ番組やイベントなどに出演。2017年、高齢者支援事業などを行う株式会社ぴんぴんころりを設立、今年3月末から母親目線のライフサポート『東京かあさん』を始動。
※女性セブン2019年7月18日号