放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、落語芸術協会の会長代行だった三遊亭小遊三と、新会長となった春風亭昇太についてお届けする。
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マスコミは“闇営業”一色。雨上がり決死隊が“闇あがり決死隊”になった。
大阪の暗黒ニュースばかりで、東京では明るいニュースのはずが記事もこぢんまり。東京の落語界にはふたつの反社ではない団体がある。落語協会と落語芸術協会。いってみればセとパのようなものだ。そこから枝分かれして(喧嘩別れ)圓楽党と立川流の弱小軍団。落語芸術協会の会長を務めた桂歌丸師が亡くなって一年、副会長の三遊亭小遊三が代行を務めていたが、そろそろ会長を決めなくてはいけない時期になって「オレ、や~らない。楽になりたい」と言い出す72歳。
私の古くからの友人だが、この男ぐらい面倒くさいことが嫌いな男はいない。笑芸界では“最も軽い重鎮”と尊敬される。小遊三曰く「ハードルは上げるだけ上げて高くした方が、下をくぐり抜けやすい」そんなことを真顔で言う。最近落ち込んだことはときけば「湯あがりに鏡を見るとおっぱいに張りがなくなった」だとさ。誰か処刑してくれ。色紙を頼まれると「寝てて転んだためしなし」。アハハまったくだ。ずっとゴロゴロしていたいのだ。