新世代の台頭著しい女子ゴルフツアーで今季、注目を集めているのがパターの「極太グリップ」だ。6月30日に最終日を迎えた「アース・モンダミンカップ」で2位タイに入った原英莉花(20)や、3月の開幕4戦目「アクサレディス」で初優勝を果たした河本結(20)ら“黄金世代”が揃って極太グリップで好成績を残しているのだ。
「河本はパットで“右手の使い過ぎ”に悩んでいて、それを解消するために、アクサレディスの初日の朝に太いグリップに変えたそうです。その効果は絶大で、前週までは1ラウンドの平均パット数が33.67だったのが、アクサレディスでは一気に27まで改善したのです」(ゴルフ担当記者)
他にも成田美寿々(26)、菊地絵理香(30)ら人気女子プロの愛用者は多い。市販品は数千円程度で、グリップだけの交換も可能。メーカー関係者はこう話す。
「重要なのは握り方。通常は“両手のひらが平行になるように握る”のがセオリーだが、極太グリップは“下から握る”ように心がける。10本の指と手のひらに均等に圧力がかかり、ストロークの強さにムラがなくなります」
正しく握れば、アマチュアでも効果を実感できるはずだという。クラブ設計家の松尾好員(まつお・よしかず)氏が解説する。
「極太グリップは強く握ることが難しいため、自然とソフトに握れるようになる。手首の動きが抑えられて、安定したストロークになると考えられます。ただし、長い距離のパットはスイングの振り幅で調整することになるので、インパクトの強弱でロングパットの距離感を出したい人や、短いパットをタップ式に打ちたい人は細めのグリップのほうがよいでしょう」
※週刊ポスト2019年7月19・26日号