暑い夏の始まりを知らせる大相撲・名古屋場所。そこでは、血気盛んな若手力士たちが、34歳の横綱・白鵬のクビを獲ろうと挑む取り組みが続くとみられている。横綱は前半戦で小結や前頭3~4枚目までの力士と対戦するのが慣例なので、名古屋場所は開幕早々、見所満載の日が続きそうだ。仮に白鵬が序盤で新進気鋭の平幕上位をなんとか退けたとしても、終盤戦ではさらなる難敵が続く。
同郷・モンゴルの後輩である玉鷲(関脇)には、初場所での14度目の対戦で初めて、土をつけられた。
「春場所でも、玉鷲の小手投げで泳がされて背後を取られる展開になった。白鵬がクルッと回転しながらの捨て身の突き落としで辛くも勝ちを拾っている。もともと同じモンゴル勢でも、玉鷲は白鵬グループとは一線を画してきた。だからこそ白鵬は本場所では完膚なきまでに叩きのめしてきたわけですが、初場所で初優勝した玉鷲は、対白鵬戦にも自信を深めている」(相撲担当記者)
もう一人の関脇には、三役在位歴代2位(15場所)の御嶽海がいる。
「名古屋場所は相性抜群で、昨年は13勝2敗で初優勝し、その前年は殊勲賞を獲得。4年前は十両優勝もしている。押し相撲が得意で、今年の初場所11日目に白鵬を押し出しで破った一番では、脇を締め、頭から当たり、立ち合いから決着まで3.5秒。左前まわしを取りにきた横綱をはじき返して電車道だった。得意の名古屋で、横綱に一泡吹かせようと意気込んでいるのは間違いない」(後援会関係者)
迎え撃つ白鵬はケガの状態が心配されている。先場所を全休した直接の原因は右上腕の負傷だったが、「本当に深刻なのは両足首」(前出の若手親方)だとみられている。
「昨年は足首の遊離軟骨の除去手術をしている。白鵬は自身の弱点を晒すようなコメントはしないが、今年に入ってからの取り口を見ていても、踏ん張れないとか、瞬発力に欠けるといった不安が拭えない」(同前)
※週刊ポスト2019年7月19・26日号