365日休むことなく営業するコンビニは日本人にとってライフラインとなった。しかし、店舗数の増加には陰りも見え、そのスタイルは大きな岐路を迎えている。コンビニ最大手、セブン-イレブン・ジャパンはこの「難局」にどう対峙していくのか。4月に就任したばかりの永松文彦社長(62)に訊いた。
──いまやセブン-イレブンの店舗数は約2万1000店を数えます。しかし最近は24時間営業をはじめとするそのビジネスモデルに様々な問題が噴出している。消費者の7割が「24時間営業は必要ない」と答えた世論調査もありました。
永松:最も大切なのは「お客様のニーズがどこにあるのか」を追求し続けることです。24時間営業が必要であればやり続けていくし、ニーズがなければ見直す必要がある。
深夜にコンビニを利用されるお客様は、全体の1~2割ほどです。しかし、深夜にご来店頂くお客様には、病院や警察関係の方、深夜営業のお店の方などもおられます。そうした深夜にしか買い物ができない方々にとって24時間営業はものすごく重要なわけです。必要とされる方々がいる限り、我々は応えていかなければいけない。
──しかし人手不足で自ら24時間営業を取り止める店舗もある。ニーズがあってもオペレーションが難しくなっているのでは?
永松:人手不足の対策は急ピッチで進めています。まずセルフレジをはじめとする省人化に注力していく。
また、現在全国約50店舗で時短営業を実施し、実証実験を行なっています。地域・エリアごとに異なる深夜帯の購買ニーズを把握し、それに応じて柔軟に対応を取っていきたい。ただし深夜営業をやめた場合、スタッフのシフトや物流体制の組み直しなども必要になってきます。何より、加盟店の収益が下がってしまわないかどうかの見極めが重要です。