横綱・白鵬が、いよいよ引退の瀬戸際に追い込まれている。34歳という年齢からくる衰えに加え、ケガを抱えた状態で名古屋場所の土俵に立つ。血気盛んな若手力士たちがガチンコで挑み、好取組の連続が予想されるが、過去、白鵬に手酷く痛めつけられてきた上位陣も、往年の盤石の強さがないことを感じ取っている。
「初場所で稀勢の里(現・荒磯親方)が引退し、協会執行部としてはなんとしても日本人横綱を誕生させたい。日本人大関陣には、親方を通じて相当、発破が掛けられている。とくに期待が高いのは高安でしょう。
“上には強いが、下に弱い”と揶揄されますが、前半に白星を重ねれば面白い存在になる。春場所での白鵬との一番も土俵際で高安が打った小手投げに白鵬が体勢を崩し、あわやという一番だった。以前のような力の差はない。それは本人が一番感じているはずだ」(ベテラン記者)
※週刊ポスト2019年7月19・26日号