コンビニは日本人にとってなくてはならないライフラインとなったが、そのスタイルは大きな岐路を迎えている。コンビニ最大手、セブン-イレブン・ジャパンはこの「難局」にどう対峙していくのか。4月に就任したばかりの永松文彦社長(62)に訊いた。
──コンビニの店舗数の伸びは明らかに減っており、セブン-イレブンも今年度計画での増加数は150店舗と40年ぶりの低水準です。既存店の売上高も伸び悩んでいる。すでにコンビニは飽和状態で、そのビジネスモデルは限界なのでは?
永松:店舗数の増加を抑える一方で、既存店への投資を上積みしています。これまでは設備投資の6割を新店投資が占めていましたが、2019年は約8割を既存店への投資に向け、FC加盟店の競争力を高めてオーナーを支えていく。
いわば「意思のある踊り場状態」ですが、私はコンビニ業界が飽和状態にあるとは考えていません。これまでの「近くて便利」のコンセプトをさらに追求させていけば、今後もコンビニへの新たなニーズを見出せるはずです。
たとえば2013年から売り出した1杯100円のコーヒー「セブンカフェ」は、今も1店で1日あたり100杯ほど売れており、デザートやサンドイッチなど他の商品の併売にも繋がった。このような商材や新サービスのニーズを探し出し、商品開発できるかどうかがこれからの勝負です。特に現在の主力顧客層である50代の方々に訴求力のある商品を探していきたい。