さすがに日本ではここまでの“被害”は生まれていないのではないかと思われるが、いつかどこかで起こり得ると想定はしておくべきなのかもしれない。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。
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日本では、アルバイトのスタッフが不適切動画をSNSに投じて経営者が火消しに走り回る、いわゆる“バイトテロ”が花盛りである。こうした行為はモラルの低さの象徴であるが、お隣の中国でも同じような事件が世間を騒がせている。
5月末、中国東北部都市・長春発で流れたニュースは全国の人々を震えさせた。21日付で報じた『観察者ネット』のタイトルはこうだ。
〈女性客 息子のおしっこをレストランのお椀で処理 その後ウィチャットのグループでクイズ「中身は何でしょう?」〉
記事に添付された写真には、黒い陶器製のお椀に、確かにそれらしき液体がたまっている。その下には、〈この中身が分かる人いますか? 締め切りは3時。正解の早かった人3名に賞金をプレゼント〉との文字が並んでいる。
いうまでもなく非常識極まりない投稿である。その後、この女性客は投稿の動機をこうつづっている。
「子供が突然『おしっこ』って。尿瓶をもっていなかったことに気づき、隣のテーブルにあった茶碗を借りちゃった」
レストランは、この女性客の特定を試みたが、現状、つきとめられてはいないという。最終的にこのレストランは、食器をすべて新品に取り換えなければならなかったというから被害甚大である。