エアコンと並ぶ熱中症対策の強い味方、扇風機がすごい進化を遂げている。家電コーディネーターの戸井田園子さんに、高齢者におすすめの最新機能と使い方のコツを聞いた。
「いちばんのおすすめは、[温度・湿度センサー]です。
熱中症を発症する危険領域とされる温度や湿度、あるいはあらかじめ設定した温度になるとランプなどで知らせたり、扇風機がオンになったりします。暑さを感じにくくなった高齢者に、まさに家電の力が生かせる機能。就寝中などには便利です。ただし室温を下げられるわけではないので、“センサーで暑さに気づいたらエアコンをつける”などを習慣に。
また長く当たると疲れるといわれていた[風の質]が、よくなっています。これは主に羽根の数や形、DCモーター搭載の賜物。羽根が小さく、数が多いほどなめらかな風になり、DCモーターはきめ細かな風量調節ができます。
熱中症対策に重要なのが、空気を攪拌してエアコン併用時にも効率よく室温を均一にする[サーキュレーション機能]。強い直進的な風で空気を循環させるサーキュレーターと扇風機の2ウェイ。暖房の季節にも通年使えます」
ヘッドの背面から空気を吸って前に出す、扇風機の基本的な機能を生かすことでも、快適さが違ってくるという。
「日中、外気温が高い時は、家の中の北側や廊下、玄関など比較的温度の低い場所を背にして回し、夕方、涼しくなったら窓やベランダなど屋外に背を向けて回すと、涼しい風に当たることができます。
またエアコンと併用する時は、冷気を後押しするように扇風機の風を送ります。エアコンの冷気は、吹き出し口から出てゆっくりと降下し、またエアコンに戻ってきます。冷気とぶつかるように風を当てると冷房効果も悪くなってしまうので、基本はエアコンの下あたりに扇風機を配置するとよいでしょう」
※女性セブン2019年7月25日号