夏を制するものは受験を制す――と言われるように、受験生たちにとってはとても重要な夏休み。もちろん受験生だけでなく、夏休みにちゃんと勉強するかどうかが、その後の成績に大きく影響するだろう。
とはいえ、暑い夏休みは、あんまり勉強などする気が起きず、冷房が効いた部屋のなかでダラダラとしてしまう子も多いだろう。
そんな子供に対して、「テレビばっかり見てないで勉強しなさい!」「いつまでゲームしてるの!」と、思わず怒鳴ってしまう親もいるはずだ。
目の敵にされてきたテレビやゲームだが、実は懸念するほどの悪影響はないようだ。
慶應義塾大学の中室牧子教授による小学校低学年を対象にした研究によれば、テレビやゲームの時間が1時間増えたことによる学習時間の減少は実はほんの数分で、もしやめたとしても学習時間はほとんど増えないという結果に。
加えて2017年に朝日小学生新聞が行った調査では、「ゲームOK」の家の子供の方が集中力が高く、勉強と遊びの切り替えも早いという結果になっている。特に、親と一緒にゲームをする子は、成績のいい子が多いという結果は目を引く。
とはいえ、長時間のゲームは目にも悪く、依存症も気になる。どうつきあうのが正解なのだろうか。大手進学塾「市進学院」ウイングキッズ指導室室長の飯嶋洋平さんはこう話す。
「勉強における子供の集中力は長くても30分程度。一方でゲームなど好きなことは続けてしまいがちです。しかし、好きなことを2時間以上続けた生徒は勉強等を圧迫し、成績に影響が出てしまうという調査もある。時間を区切ることは親が意識するようにした方がいいでしょう」
また、近年はビデオゲームの腕を競い合う「eスポーツ」がひとつの競技として認知されてきており、2020年の東京五輪に合わせて大規模な世界大会が日本で開かれる。今や部活として取り入れる学校もあるほどで、「ゲーム禁止」はもはや“過去の教育方針”とさえいえる状況になっている。
※女性セブン2019年8月1日号