芸能界を揺るがした「闇営業」問題で、吉本興業にさらなる激震が走った。雨上がり決死隊の宮迫博之(49)が、2016年に発生した「福岡金塊強奪事件」で逮捕・起訴された男性らと「ギャラ飲み」(金銭を受け取り、酒食を共にすること)していた疑惑を、7月19日発売の『フライデー』が写真付きで報道(宮迫は、記念撮影は依頼されたが金銭は受け取っていないとして“ギャラ飲み”を否定)。そして宮迫は7月20日、ロンドンブーツ1号2号の田村亮とともに謝罪会見を開き、事務所から会見しないよう圧力をかけられていたと主張した。加えて、先輩にあたるダウンタウンの松本人志が21日放送の『ワイドナショー』で事務所に対して不信感を露わにするなど、波紋が広がっている。
「闇営業」の問題発覚から1か月余り。当初、宮迫ら参加者たちが「ギャラを受け取っていない」と釈明したことが後に“嘘”だとわかり、批判の声は広がる一方だった。宮迫は会見で引退について問われ、「何度もそのことは考えました。ですが、僕は18(歳)から30年間この仕事しかしていない。僕ができるのはこの世界で学んだことしかないんです。僕のような者でも、僕の能力でお役に立てることがいつかできるかもしれないという思いで、今は引退という事は考えられません」と語っていたが、現実には、当面の仕事はキャンセルになることは避けられない。
宮迫は『アメトーーク!』(テレビ朝日系)をはじめ多数のレギュラー番組を抱えている。俳優としてもドラマや映画で活躍、CMにも出演していたため、場合によってはスポンサーやテレビ局に対して違約金が発生することがあり得る。
「一般的な芸能事務所ではスキャンダルが発生した場合、事務所がいったん立て替えたとしてもタレント個人が違約金を支払う契約になっていることが多い」(芸能事務所関係者)といわれるが、吉本の場合は一部を除いてほとんどの芸人が文書での契約を交わしていない。違約金が発生した場合はどちらが負担するのか。吉本関係者が語る。
「宮迫も吉本とは口頭での契約だったと聞いています。大崎会長が批判された口頭での契約を今後も続けると宣言した直後だけに、そこをめぐって宮迫と吉本が揉める可能性もあります」
マネージメント契約は解消されたが、今後、事務所との違約金をめぐる綱引きが繰り広げられることになるかもしれない。
※週刊ポスト2019年8月2日号