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追悼・竹村健一さん 強面評論家が海外取材で見せた素顔

人間の住む最北端の町である北極圏のニーオーレスンを訪れた際の1枚。アザラシのいる流氷に近づいた。

 パイプを咥えながら、「だいたいやね~」とおなじみの口癖をこぼす“元祖辛口評論家”竹村健一氏が7月8日、89歳でこの世を去った。1967年に著書『マクルーハンの世界』で一躍注目を浴び、時事問題に舌鋒鋭く切り込む『竹村健一の世相講談』(日本テレビ系)などで人気者になった。

 本誌・週刊ポストで1981年に始まった『竹村健一 世界の読み方』は、2006年まで24年間にわたる長期連載となった。海外へも頻繁に飛び出したが、10か国の撮影を担った当時の本誌カメラマン・太田真三氏は「イメージとかけ離れた温和な方でした」と語る。

「いつも小さな鞄ひとつで空港にやってきて、まるでドラえもんのポケットのように必要なものは何でも入っていました。旅先での夜、竹村さんの部屋に伺うとひとりで下着を洗濯していましたが、だから少ない荷物で旅ができたのですね」

 57歳でスキー、58歳でスキューバダイビングを始めるなど、好奇心と行動力は年齢とともにパワーアップした。

「ニュージーランドでは空港で三浦雄一郎さんと偶然出会い、意気投合。そのままスキー場に直行したのには驚かされました。旅先には必ず家族を連れてきて、高原で奥さんが絵を描いている横でハーモニカを吹いていました」(太田氏)

 森羅万象に興味を持ち続けた生涯は、出演したキッコーマンのCMで流行語になった“デリーシャス”そのものだった。

カナダのペンバートンに家を購入。近くの川で釣りを楽しむなど、イメージと違い根っからのアウトドア派だった。

57歳から始めたスキー。写真はヘリコプターに乗って世界的に知られるスキー場・ウィスラーまで足を伸ばした時のもの。

テニスはゴルフのように間が空くスポーツと比べ、終始神経を集中させるので自分にピッタリだと述べていた。

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