2020年の東京オリンピック開幕まであと1年。新国立競技場の工事は9割まで進み、11月末の完成を目指す(7月8日撮影)。
7月3日にはメディア向けに工事現場が公開され、12月21日には一般向けにオープニングイベントが開催される。建築アナリストの森山高至氏が解説する。
「競技場に入った途端に目を引くのは、観客席です。全体として“森の木漏れ日”をイメージできるように、それぞれの座席を、白、黄緑、グレー、深緑、濃茶のアースカラーで配色。フィールドに近い部分は茶が多く、上部に行くほど白や緑が増え、グラデーションになっている。楽しげで、世界に類を見ない試みです。
約6万席のうち、7割の4万5000席が取り付けられました。中から見上げる空は広く、解放感もあります。大屋根の裏側に木材が使われているからでしょう。工事現場も掃除が行き届いており、スケジュールに余裕があるのがわかります」
フィールドには走り幅跳びに使われる砂場が作られ、スタンドの南側と北側には、それぞれフルハイビジョンの大型スクリーンが設置された。
■撮影/小倉雄一郎
※週刊ポスト2019年8月2日号