ライフ

あなたはあなたが思うよりずっと大きい【ジェーン・スー コラム】

『女に生まれてモヤってる!』が話題のジェーン・スーさん

「読んでラクになった!」「モヤモヤが共有できて、猛烈に感動した」など話題を集めているコラムニストのジェーン・スーさんと脳科学者の中野信子さんの対談集『女に生まれてモヤってる!』。同書の中からジェーン・スーさんのコラムを紹介します。

 * * *
 アメリカを代表するアーティストのビヨンセは、2018年のコーチェラ・フェスティバル(アメリカで行われる大規模野外音楽祭のひとつ)でアフリカ系米国女性として初めてヘッドライナー(大トリ)を務めました。2時間に渡るライブでは自分たちの文化の力強さと美しさを余すところなく伝え、女性に誇りと力を与える素晴らしいパフォーマンスを行いました。Netflix でリハーサルも含めたライブ映画『HOMECOMING』が観られるので、ぜひ観てください。勇気づけられること間違いなしです。

 ライブのモノローグパートで、「以前は、黒人女性として私が小さな箱の中にとどまっていることを世界から望まれているように思っていた」とビヨンセは語りました。私はアジア人ですが、小さな箱の中に収まっていることを望まれる感覚はわかります。出しゃばり過ぎないとか、目立ち過ぎないとか、言いたいことを言い過ぎないとか、そういうことです。

 子どもの頃から、感じた通りに動くと、それはいつも「過ぎる」状態として捉えられていました。フル出力でやりたいだけやったら、誰かを傷つけたり嫌な思いをさせたりしそうな不安が常にあったのです。実際、人の心を傷つけたこともたくさんあります。力も強かったので、意図せず友人に怪我をさせるようなこともありました。ごめんなさい。

 言葉が乱暴だったり言い方がきつかったり力の加減がわからなかったりと、コミュニケーションの方法に難があったことは認めます。しかし、私が男だったら同じように感じたかはわかりません。本当の私はもっと大胆だし、もっと大きな声が出るし、足を踏み鳴らして動きたい。体だってぐるんぐるん動かしたい。もっともっと、私が感じたことを表現したい。でも、そうしたらギョッとした顔をするんでしょう? おかしな子だって笑うんでしょう? あまりにもみんなと違うからって。

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン