「先生、自治体の検診だけで大丈夫なのでしょうか」
「がんが不安なので、毎年人間ドックを受けたほうがいいですか」
医療検査の専門医のもとには、そうした相談が日々、寄せられている。人間ドック・検診を数多く手がける東京国際クリニックの宮崎郁子副院長が語る。
「自治体や企業の検診は最低限のもので、早期発見のためには足りない項目がいくつかあります。毎年欠かさず受けていてもそれだけでは心許ない。まずは病気にかかりやすい年齢(好発年齢)を知り、人間ドックやオプション検査の必要な項目を選択することが大切です。持病や既往歴によっても異なるものの、必要な年齢から、適切な頻度で受けるための目安を把握しておきましょう」
では、50代を迎えたら「どの検査を」「何歳で」受けるべきなのか。なるべく早くから受けておきたいのが『大腸内視鏡検査(大腸カメラ)』だ。日本消化器内視鏡学会の専門医で、住吉内科・消化器内科クリニックの倉持章院長が解説する。
「大腸がんの罹患率は40代から急増し、45~49歳になると40代前半に比べて、がん化する可能性のあるポリープが約2倍に増えるという海外の研究があります。内視鏡でがん化する前のポリープも見つかり、大腸がんを未然に防ぐことにつながるため、できるだけ早い年齢から受けておきたい。最初に受けて異常がなければ、その後は5年に1回程度で良いと考えられます」
画像診断を専門とするAIC八重洲クリニックの手塚大介医師(医学博士)は、50代からの『心臓MRI』『頸部エコー/心エコー』の重要性を説く。