近年の韓国は日本固有の文化を「我が国発祥」としてアピールする。韓国語のウリ(我々)とオリジナル(起源)をかけて「ウリジナル」と称されるケースは枚挙に暇がなく、茶道、剣道、相撲、空手、蕎麦、折り紙、盆栽、歌舞伎、忍者、寿司など多種多様なものを韓国起源だと主張している。
なぜ韓国は事実と乖離した言動を繰り返すのか。そこには韓国という国家の成り立ちが複雑に絡んでいる。元朝日新聞ソウル特派員の前川惠司氏が語る。
「戦って勝ち取った独立ではなく、大国同士の思惑で生まれたという経緯があるので、もともと国としての体面にコンプレックスを抱いている。神話を史実にしたり、国力を少しでも大きく見せようとして誇張が加わるのはそのためです」
ここで前川氏が述べる「神話」というのは、〈約4000年前に天帝の庶子がメス熊を妻として産ませた「檀君」という人物が、平壌を都として建国した〉というもので、韓国では建国神話としてよく知られている。この伝承に従えば、朝鮮の建国は紀元前2333年である。前川氏はこう続ける。
「『日本に植民地支配された』という事実がさらにそのコンプレックスに拍車をかけているのでしょう。“日本より上”であることが何よりも優先されるので、数字やデータがどんどん改ざんされていく。
韓国は軍事独裁が終わって民主主義国家になってまだ30年ほどです。背伸びして先進国入りをアピールしていますが、精神的にはまだ未熟。まずは虚実を見極めて等身大の韓国を知ることが大切です。そして日本は国際社会に根気よく正論を唱えるほかない」
それこそが、厄介な隣人と冷静に付き合う第一歩だ。
※週刊ポスト2019年8月9日号